sap iphone

米Appleと独SAP(エスエーピー)は5月5日、法人顧客向けモバイルソリューションについて提携を発表。SAPが提供するプラットフォームとビジネススイートにiOSアプリを組み合わせ、ビジネスに活かす新たなモバイル環境を実現する。(マイナビ) (ERP:エンタープライズ・リソース・プランニング/企業内統合システム)

SAPはグローバル企業のエンタープライズ・ソフトウェアおよびビジネス・トランザクションの76%を持っており、そこには250万人の開発コミュニティーがあります。そしてApple にはフォーチュン500社の98%がiOSデバイスを使っているという強みがあります。iPadProのリリースも強みでしょう。

この提携でSAPとAppleは、SAPシステム用iOSアプリ構築に向け、「ソフトウエア開発キット」、「デザイン言語」、そして「トレーニングプログラム」を用意し、年内のロールアウトを目指すことに合意したようです。開発キットには指紋認証などを組み込み、デザイン言語でR/3の弱いユーザーインターフェイスを払拭する狙いがありそうです。データベースがORACLEでないというのも特質です。

SAPは有名な「R/3」の後継になるERP「S/4 HANA」(昨年発表)の、タブレット系フロントエンドを固める必要性に迫られていたのでしょう。またAppleにとってはIBMとの提携に続き、今回の提携でさらにiOSデバイスの企業向けの基盤を固めることが出来るというメリットがあると思われます。

この提携は双方の課題を解決する強靭なものになるでしょう。そして、このことは企業システムのフロントエンドがPCからタブレットに変わるという大きな流れをも感じさせます。