ソフトバンクグループが出資する
米衛星通信ベンチャーのワンウェブと、
衛星サービス会社インテルサットは
28日、合併で合意したと発表しました。
合併は、株式交換方式で実施。
統合後ソフトバンクは、
企業の議決権株・無議決権株を
現金17億ドルで買い取り、
議決権ベースで39.9%の筆頭株主になるとのこと。
インテルサットは
衛星通信による国際通信を手がける民間企業で
現在、国際通信が海底光ケーブルに主役が移行して
辺境地や航空機・船舶向けなどの
通信脆弱地域にとどまっており、債務も抱えています。
スマホ時代になって
通信脆弱地域のインターネット接続ニーズが
高まっているにもかかわらず
コストがかかることもあり、
船舶や航空機などの用途以外には取り込めていません。
一方ソフトバンクが出資の
ワンウェブはヴァージングループも
出資する新進の衛星通信会社で、
このインターネット脆弱地域の接続ニーズに
焦点を当てています。
ワンウエッブは
コストとの見合いで進まなかったこの領域に
技術の進展による新たな可能性を
提示しています。
600以上もの衛星を今までよりも
8分の1の低い位置に打ち上げ
高速で接続性のいい安価なインターネットに
するというものです。
FacebookやGoogleも
無人機やバルーンで
アフリカなどのインターネット脆弱地域を
カバーしようとしていることは
数々報道されています。
このように通信脆弱地域への
ネットサービスの提供に対する
取り組みはニーズと技術革新に伴って
盛んになってきています。
一方、ソフトバンクのワンウエッブに対する考えは
もう少し大きく考えているのではないかと感じます。
バルセロナのモバイルコングレスでの
孫社長のキーノートスピーチで
スマホはもはや成長しないが、
IoTチップは1兆個まで増え、
1兆の加入を新たに得られると述べています。
まだアフリカやインドでは
スマホはこれからですが(笑)
おそらく、新興国の接続だけでなく
安価にネットワークを押さえることで
これからのIoTの接続も取り込み
インターネット接続全体の世界レベルの
基本インフラになることを見据えているように思えます。
そして、おそらく、
ワンウエッブとインテルサットの統合によって
この全世界をカバーする高速インターネット実現が
かなり早くなるということも考えられます。
成熟しているように見える
通信サービス市場が
衛星通信という既存方式に
最先端のテクノロジーを掛け合わせることで
世の中のインフラとして生まれ変わる
新たな段階に来ているということは言えます。
孫さんには、IoTモバイルインターネットが
現在不完全で、
作り直しが必要だと感じているのでしょう。
ソフトバンクによるARMやワンウエッブへの投資は
ボーダフォンの買収のときと同じく
世の中の大きな変化点を押さえていると
言えます。
ボーダフォン買収の一年後にiPhoneが発表され
日本では世界でも例を見ないiPhoneシェアを
実現しています。
と言うことで、
後から見たときにそれがわかります。
今年はその構図がわかる年になるでしょう。